製造業DX・業務改善サービス比較サイト

SEIZONE

製造業の世界では品質は疎かにすることのできない、とても繊細なものです。安全を第一に作業を行いながら、安定した品質で生産活動を行う。これがあって、初めてコスト競争に参加することが前提となっております。そういった品質を担保するために必要なのが各種検査です。

製造業ではその製品特性によって、様々な検査が用いられます。その中でも代表的な検査の一つが外観検査になります。この記事では外観検査の現状と問題点、DXによってどのように変わっていくのかについて説明をしていきます。

製造業での外観検査とは

SEIZONEバナー1
では、そもそも外観検査とはどういったものになるか。一般的に外観検査が持つ意味と作業内容を紹介していきます。

なぜ外観検査をするのか

製造業で必須となってくる検査工程、その中で外観検査が用いられる意味はなんでしょうか。製品が製造される際は材料が複数回の工程を経て、完成品へと仕上がっていきます。この時に、予期せぬタイミングで工程途中の製品に傷がつく場合があります。移動中の振動であったり、加工機械の動作のわずかなズレや、作業者の人為的なミスなど、様々な要因があります。そのため、作業者が自覚しないうちに製品に傷がついてしまう事例などが絶えません。

傷がついてしまった製品を客先に出してしまってはクレームとなり、品質上の信頼を失ってしまいます。それを防ぐために検査担当の作業者が目で見て、NG品を発見するのです。外観検査では見えやすい傷や、凹みがないかといったことから、細かな寸法のチェックまでを行うこともあります。客先の指定項目が多ければ、それだけ時間を要するために検査に多大なコストを必要とすることもあります。

外観検査の持つ課題

女性が外観チェック

外観検査は作業者が目視で検査を行います。単純な検査のように思えますが、様々な課題点が存在します。

作業者による検査漏れ

作業者は人間であるため、疲れなどから作業の精度が落ちることがあります。検査項目が多かったり、検査個数が多いと疲労が蓄積して、漏れを発生させてしまうかもしれません。

また、手作業での検査となるので、作業者同士の連絡ミスなどから未検査のものを検査済みとして次工程へ流してしまう可能性などがあります。外観検査の質を保つためには二重、三重のチェック段階を設けたり、外観検査に適した環境(照明の明るさ・検査台の高さ)などを用意する必要があります。

作業者ごとの判断基準

外観検査では製品についている傷などを確認して、NG品がないかを判断します。 この傷に関して「どれくらいの傷であればOKで、どれくらいの傷であればNGなのか」という判断基準の問題が出てきます。NG判定とする傷の基準を作り、それをマニュアル化することで対策としている企業も多くあります。しかし、製品への傷のつき方は多様であり、全てのパターンに対応したマニュアルの作成が難しいというのが現状になります。

結果、検査基準は作業者ごとにぼんやりとした線引きができるに留まってしまいます。この状態が続くと、良品なのにNG判定にされてしまったり、NG品なのに良品と判定されて次工程へ流れてしまうといった事態が発生してしまいます。これは品質維持の観点からも、コスト対策の観点からも悪い状態と言えます。

製造業DXによって変わる外観検査

IoTでDX推進

製造業においても進むDX(デジタルトランスフォーメーション)は検査の領域においても力を発揮します。では、具体的にどのような変革があるのでしょうか。

IoTやAIの活用

DXの要素として、IoTやAIというものは欠かせません。外観検査の場合はロボットとAIが繋がります。これまで人の目で外観検査を行っていた工程をロボットが担うようになるのです。もちろん、ただロボットを入れれば機能するというわけではありません。ロボットが備え付けたカメラやセンサーを用いて、傷の有無を判断することはできても、それをNG品とするかどうかの判断をロボット単体で行うことはできません。

そこで、AIが活用されます。製品についている傷のパターンを収集し、ビッグデータとすることでパターンを学習、学習を終えたAIは自主的にNGであるかどうかの判断を行えるようになります。こうなれば、判断基準はAIの中に絶対的な物があるので、作業者によってブレが生じるようなことは発生しなくなります。また、ロボットが均一な作業の中で製品をチェックするため、人のように疲労や環境要因によって精度が落ちてしまうことがなくなります。

受けの検査から攻めの検査へ

ロボットやAIを用いることでのメリットは品質の安定化のみに留まりません。普段、収集しない外観作業時の製品の詳細を画像として残すことがセットとなります。すると、NG品のデータを集めて、その傾向を探ることができるようになります。傷のつき方、つく場所や、製品ごとのNG率を把握して検証することで「どの工程でNG品を作ってしまっているか」を検証することができます。

数ある工程の中で、問題のある工程を突き止めることができれば加工方法や作業手順を改善することでNG率の低下を実現することも可能です。品質を安定させるためにNG品を出さないことが目的となっていた外観検査から、工程間の見直しを図ることを目的とする外観検査へと検査工程の価値を高めることができるのです。外観検査へのDX導入はリードタイムの短縮、加工コストの削減、工数の適正化など様々な付加価値を伴っているのです。

勝ち取る信用力

SEIZONEバナー2
製造業の中でも下請けの位置に立つことが多いメーカーにとってこそ大事になるのがDXの導入といっても過言ではありません。新規での取引を獲得しようとする中で、検査工程に自動化を組み込めているかどうかは大きな評価の分かれ目となります。

これは「企業の中に成長の意思があること」をアピールするこれ以上ない場所であるからです。最先端の技術で品質を担保すると共に、工程の最適化を図る姿勢は常に求められる。優れた職人の技で支えてきた現場であったとしても、職人がいつまでも職場に居てくれるわけではない。優れた技を継承していくためにもAI学習は欠かせない。

求められる相互理解の姿勢

実際に外観検査の自動化を導入するとなった場合に、開発側と現場の双方に求められるのは相互理解の姿勢です。システム開発者はシステムを構築するプロであったとしても製造現場のプロではない。そのため、大事なデータ収集を本番環境ではない状態(照明の明るさが違う、手順が違うなど)で行ってしまうかもしれません。これではせっかく収集したNG品のデータも適切に反映されず、誤った基準での自動検査が行われてしまう恐れがあります。

また、現場側にもシステムを理解する姿勢が求められます。 ロボットを入れた大幅な変更には多くの作業者が戸惑うことになるかもしれないが、変化には柔軟に対応しなければなりません。作業者がNG例のデータ収集に積極的に参加し、どのような判断基準を持っているかや、独自の技術などを共有していくことが必要になるでしょう。

外観検査をAIに任せる製造業のDXのまとめ

外観検査にDXが導入された場合をここまで考えてきました。メリットの多い話で、現実味がないと感じた方もいたかもしれない。しかし、すでにロボットが全自動で検査を行う製造現場もある。徐々にこれはスタンダードなものとなっていくのだろう。

ただ、外観検査を長年行ってきた職人の目は簡単に作れるものではない。職人の技を残していくためにも、先を見据えた投資を行う必要があります。

seizone-article3

  • SEIZONEマガジンについて

  • SEIZONEマガジン
  • 展示会情報
  • お客様へ

  • 掲載をご希望の方
  • 規約
  • プライバシーポリシー
SEIZONE icon by Icons8
© 2022 SEIZONE. All rights reserved.