製造業DX・業務改善サービス比較サイト

SEIZONE

各種産業から注目を集めるIT技術があります。それがデジタルツインと呼ばれるものです。まだ新しい技術のため知名度は低いものの、有用性が高いことは認識されています。ここではデジタルツインについて解説を行い、導入によるメリットなどを紹介していきます。

製造業DXに必要不可欠なデジタルツインとは何か?

SEIZONEバナー1
デジタルツインの概念は「現実世界でのモノや事象のデータを集積し、サイバー空間上にて再現する技術」となります。現実のものをデジタルに複製するのでデジタルのツイン(双子)ということになるわけです。製造業の一つの製造ラインで考えましょう。製造機器にセンサーデバイスを設置し、各種データをバーチャル上に集積していきます。そして、それらのデータをもとにバーチャル上ではデジタルの製造ラインができあがるのです。

これが従来の「シミュレーションモデル」と大差ないものと考える人もいるかもしれません。しかし、これまでの技術でのシミュレーションが環境や条件設定をこちらで定義づけて作成するものであったのに対し、デジタルツインでは環境要因をデータとして全て実際の機器などから集めます。これによって、リアルタイムで機器の環境変化をシミュレーションに反映できるようになりました。つまり、膨大なデータを処理することによって現実で起こっていることをそのままデジタル上に再現できるもの、それがデジタルツインということになるのです。

実は馴染みのあるデジタルツイン

コロナ禍の中にあって、くしゃみや咳による飛沫がどのように飛散してしまうのかを検証する3Dモデルをニュースで見たことはないだろうか。飛沫が見えやすい球体のようになっていて、それがマスクの有無によって飛散がどのように変わるかを見やすくするために使われていたものだが、あれにデジタルツインの技術が使われている。また、デジタルツインは「デジタルツインという一つのIT商品」があるわけではない。

様々なIT技術を組み合わせた結果がデジタルツインという技術概念になるのだ。組み合わせられるIT技術の中にはデジタルデータを3D情報として、視覚的に表現するAR(拡張現実)やVR(仮想現実)といったものもある。今、ゲーム機やサービス業でも積極的に使用されている技術もデジタルツインを構成する大事な要素となっているのです。デジタルツインが日常生活に根差したものになっていることがわかりますね。

製造業にデジタルツインを導入するメリットとは

製造業DXのメリットとデメリット

デジタルツインがIT技術を駆使した便利なシステムだということはわかりました。では、デジタルツインを製造業に導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

トラブル対応

最も、デジタルツインが独自の効果を発揮する場面がトラブル対応となるでしょう。製造機器を何台も扱う製造工程においては機械の故障やシステムのエラーなど、トラブルによって生産がストップしてしまうのは珍しくありません。その際にデジタルツインは効果を発揮します。生産ライン全体のデジタルツインを作成しておけば、そのシミュレーションを遡って、トラブル発生時刻やその原因を突き止めることができます。これは再発防止策の検討に役立てることもでき、迅速な現状復帰へと繋がります。

アフターサービスの拡充

製造業の世界では物を顧客に売ることがゴールとは限りません。製品を顧客へ届けた後に、その製品のアフターフォローを行うサービス一体型の製品も多く存在します。代表的なものでいうと、インフラ設備がそれにあたります。インフラを支える再生エネルギー用の装置、太陽光発電や風力発電は定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、風力発電内の装置を点検するには多大なコストが必要となります。ここにデジタルツインを用いることでアフターフォロー体制を拡充することができます。

製品にセンサーユニットを設けることで、製品の使用環境をデジタルツインにて作成、これによって、製品の疲労状況を把握することができるので適切な時期にメンテナンスを行うことができるようになります。このように、デジタルツインは新たなサービス商品販売のための活路を見出すための道具になることもできます。

イメージ向上

消費者目線になると、企業が作り出す製品はそのまま企業を表すことになります。良い物を作る企業は良い企業であり、悪い物を作る企業は悪い企業である。このように消費者が製品を見て会社全体のイメージを決めつけてしまうことは珍しくありません。そのため、企業は常に自社ブランドの正当化とイメージ向上を行わなければなりませんが、ここにもデジタルツインが役にたちます。デジタルツインでは、実際の使用環境を想定した3Dモデルを作成することができます。これを用いて製品がどのような環境で使用されるのか。また、製品がどのように製造されているのかといったことを視覚的にわかりやすい形で顧客に提示することができます。

特に使用環境がわかりにくい機械部品であれば、どのようにその部品が役割を果たしているのかを「見える形」で顧客に伝えることができます。企業の社会的役割を明確にすることで目標とするブランドのイメージに顧客の持つイメージを近づけることができます。また、このイメージ向上は顧客獲得だけでなく、人材確保にも繋がります。良い人材を他者に先駆けて獲得するには自社が何をしているのかをわかりやすく伝えておく必要があります。社会的役割をわかりやすい形で伝える企業は学生にとって魅力的に映るため、早期の人材確保にも一役買う形となるのです。

品質保証

製造業において品質をおろそかにする行為はあってはなりません。そのため、企業は各種検査に時間とコストを消費する必要があります。しかし、時にNG品が検査から漏れて出荷されることも起こってしまいます。これは客先からのクレームや重大な事故に繋がりかねず、企業の信頼を落としてしまうものになります。デジタルツインを導入すればビッグデータ解析や可視化を行えるので、製品の不具合を発見しやすくなります。また、現実ではコストがかかってしまうために躊躇してしまう試験や開発もデジタル上では何度も繰り返し行えるので、品質向上を安価に図ることができます。

ここまでの内容でデジタルツインにはいくつものメリットがあり、それが代替えの利かない貴重なものであるということがわかっていただけたと思います。次は今の時代だからこそのデジタルツインが持つ特徴を挙げたいと思います。

製造業DXに求められるデジタルツインが求められるようになった理由とは?

ITでDX化

ここまで、デジタルツインがどういうものであるか、メリットにどのようなものがあるかを紹介してきた。ただ、実はデジタルツインの概念自体は1960年代からあるものでした。当時、NASAは宇宙開発の中において「遠く離れた宇宙船の状況を正確に把握するために何をすればよいのか」を考えさせられることとなりました。

困難な課題の中で生まれた発想がデジタルツインであり、これによってアポロ13号はトラブルを無事に乗り越えることができています。では、この時代になってデジタルツインが再度注目を浴びるようになった理由はなんでしょうか。そこには大きく2つの要因があります。

進むDX化

各種産業の世界で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方が導入され、進んでおります。日本でも教育機関に向けてDX教育の推進を求める政府の指針が発表されています。世界がIT化を果たしていく中で、日本は徐々に先端分野において遅れをとっていきました。この要因は様々ありますが、現状アメリカや中国にリードされています。ここからの巻き返しを図るためには各企業が積極的なDXの推進を図る必要があります。

デジタルツインという概念はDXの行きつく先にあるものです。Iot化、センサーユニットなど認知機器の導入、VRなどを駆使した視覚化、こういった技術を集めてデジタルツインは完成します。一般企業でもデジタルツインを積極的に導入するというのはDXを目指す世界的な流れの1つのゴールとなるのです。

不安定な経済

世界経済はおおよそ10年ごとに大きな波を迎えます。現在の問題で言えば大国同士の貿易摩擦、コロナ禍による経済の冷え込みが挙げられます。おおよそ10年前にはリーマンショック、更に10年前にはITバブルの崩壊などがありました。このように不安定な中での企業成長は難しく、経営者目線では設備投資などに対して消極的になってしまうことも不思議ではありません。ですが、デジタルツインを導入すれば設備投資への悩みを少し解決できるかもしれません。

デジタルツインでは現実に設備投資をする前に、設備投資をした場合の環境を仮想で作成することができます。その仮想環境を鑑みて、設備投資の有効性を判断することができます。それまでは機械を入れてみなければ実際に効果がわからなかったところを実際の環境に近いシミュレーション結果を受け取ることができるのです。「より正確な投資」経営者にとって、これほど嬉しいものはありません。デジタルツインが求められる背景にはこのような事情もあるのです。

製造業DXに必要不可欠なデジタルツインのまとめ

如何でしたでしょうか。デジタルツインという未知の技術が製造業を大きく変えていく未来を想像していただけましたでしょうか。各企業がDX化に取り組んでいく中で、デジタルツインという技術を獲得できるという未来が待っているかもしれませんね。

seizone-article3

  • SEIZONEマガジンについて

  • SEIZONEマガジン
  • 展示会情報
  • お客様へ

  • 掲載をご希望の方
  • 規約
  • プライバシーポリシー
SEIZONE icon by Icons8
© 2022 SEIZONE. All rights reserved.