製造業DX・業務改善サービス比較サイト

SEIZONE

ヒューマンエラーが起こると、生産性・品質を悪化させるだけではなく、場合によっては重大な労働災害にまでつながります。そのため、ヒューマンエラーを減らし防いでいくことは経営において非常に重要な要素となりますが、それでは、ヒューマンエラーを防ぐにはどのようなことを考え、対策していけばよいのでしょうか。ここでは、ヒューマンエラーについての考え方やそれを防ぐ方法について紹介します。

 

ヒューマンエラーとは

SEIZONEバナー1
ヒューマンエラーとは「意図しない結果を生じる人間の行為」のことです。ここでいう「意図しない結果」には、例えば作業効率が下がる、不良品が増え歩留まり率が悪化するというものから、労働災害が発生するという重大なものまで様々なものが考えられます。そしてこの「意図しない結果を生じる人間の行為」は、「やるべきことが決まっているときにやるべきことをしない」もしくは、「やってはならないことをする」の2つに分類できます。

この「やるべきこと」には、規則・法律に定められていること、常識・規範とされているもの、周りから期待されている行動などに加え、自分がこうやろうと考えていたことなどがあり、様々なものが含まれます。ただし、製造業においてはマニュアル・手順などで標準化されていることが多いと思いますから、ヒューマンエラーとは、こうしたマニュアル・手順から逸脱した行動により意図しない結果を引き起こした場合、と言ってもよいかもしれません。

なお、故意に「やるべきことをやらない」または「やってはならないことをする」は違反と呼ばれ、ヒューマンエラーとは区別されます。事故を分析すると、多くの場合にヒューマンエラーが原因となっています。厚生労働省の労働災害原因の分析によると、労働災害の8割に人間の不安全な行動が含まれているとのことです。

一方で、ヒューマンエラーについての研究の中では人間は一定の割合でミスをするものだとされています。例えば電話のダイヤル回しでは20回に1回、単純な繰り返し作業では100回に1回程度の頻度でミスを起こすと言われています。どんなに注意深く慎重な人であっても、疲労や錯覚などでヒューマンエラーを起こすのです。「人は誰でも間違える」という事実の理解が、ヒューマンエラー対策の出発点です。

ヒューマンエラーの原因分析

worry-man

ヒューマンエラーはなぜ起こるのか。これを分析していくためには、一定の視点に従って原因を分類していく方法が有効です。こうした分類方法は、例えば行動からの分類(①やり忘れ、②やり間違い)、人間の情報処理過程からの分類(①実行上の誤り、②意図の誤り、③記憶間違いによる誤り)、外部のきっかけを認知からの分類(SRKモデル)などがありますが、ここでは高木元也氏の分類を掘り下げたいと思います。

高木元也氏によるとヒューマンエラーの原因は12に分類します。

  • 無知、未経験、不慣れ
  • 危険軽視、慣れ
  • 不注意
  • 連絡不足
  • 集団欠陥(納期直前で安全を軽視する風潮ができるなど)
  • 近道・省略行動本能
  • 場面行動本能
  • パニック
  • 錯覚
  • 中高年の機能低下
  • 疲労等
  • 単調作業等による意識低下

ただの「うっかりミス」と考えられるようなものであっても、まずはこうした分類に従って分析していくことにより、原因を深く掘り下げることができるようになります。しかし、これはあくまでヒューマンエラーの直接原因であり、根本的な問題解決に向けてはさらに直接原因を引き起こした原因=潜在要因まで突き詰めて分析する必要がある場合もあります。

例を挙げると「本来の手順通りに作業していなかった」=「⑥近道・省略行動本能」と分類した場合、その解決策としては「作業員に対して教育を行う」ことが考えられます。しかし、「なぜ本来の手順通りに作業していなかったのか」を分析した場合、その潜在要因として「納期が迫っていたため」という事情が出てくるかもしれません。そうした場合は教育にはあまり効果がなく、受注量や納期設定など、潜在要因を解消できる問題を解消する必要があります。

ヒューマンエラーへの対策

trouble

ヒューマンエラーを防ぐための具体的な対策としては、大きく2つの方向性があります。

ヒューマンエラーが発生しても大丈夫なように対策

ヒューマンエラーが発生しても大丈夫なように対策するというものです。先に述べたように「人は誰でも間違える」ため、このことを前提に、ヒューマンエラーが起きても大きな問題に発展しない、やり直しがきく、という体制や仕組みを作ることが重要になります。特に、先に述べたヒューマンエラーの12分類のうち、③不注意、⑥近道・省略行動本能、⑦場面行動本能、⑧パニック、⑨錯覚、⑫単調作業等による意識低下の状態は、「瞬間的に注意力が適切に働かない」状態ですから、「最終的な安全確保を人の注意力に頼らない」ような安全設備を整えることが効果的な対策となります。

ヒューマンエラーが発生しないように対策

ヒューマンエラーが発生しないように現場の活動を充実させるというものです。ヒューマンエラーの12分類のうち、①無知、未経験、不慣れ、②危険軽視、慣れ、④連絡不足、⑤集団欠陥、⑩中高年の機能低下、⑪疲労等は、あらかじめエラーが発生しやすい状況が作業員に内在している状況といえます。

現場における具体的な対策としては、習熟度を上げる、安全性への意識を上げることにより、危険な状況を作らない、もしくは危険をすぐに発見できるようにする必要があります。具体的な活動としては、作業に関する教育、安全衛生に関する教育、ヒヤリハット事例の蓄積・共有、危険予知活動、パトロール、作業の重層化、現場での声のかけあいなど、様々なものが考えられます。

システム化でヒューマンエラーを防ぐ

実際に起こったヒューマンエラーから原因を分析し、現場の運用によって改善していく、主に草の根の活動を想定して記載してきました。しかし、より根本的に製造の現場を変えていくことも考えられます。具体的には、製造業ではこれまで機械を導入することによって、多くのヒューマンエラーを減らしてきました。そして昨今では、こうした機械化に加え、システムを導入することによって、より効率的・高品質で、安全な職場を実現できるようになってきています。

システム化の実現方法は様々なものがあります。生産計画とそれに基づいたラインの稼働を生産スケジューラによって制御する、これまで手動で行っていた在庫や部品の管理をセンサーを用いて自動化する、製造過程において温度や振動をセンサーで計測することにより品質を安定させる、カメラで異常を検知し不良品を取り除く、など目的も手段も様々なものがあります。

ただどれも、これまで人が行っていたもの(場合によっては熟練の技術者による「勘」に頼っていたもの)をシステムの力で実現している、ということができるかもしれません。システム化により、ヒューマンエラーを低減できるだけでなく、様々な効果が期待できます。製造現場の自動化により生産効率を最適化・向上することができますし、そのことによって捻出できた人材をさらなる工場の効率化の検討に向けたり、あるいは新製品の開発などのさらなる成長に向けた投資に向けることもできます。

まとめ

ヒューマンエラー対策の出発点は「人は誰でも間違える」ということです。このことを前提に、ヒューマンエラーの原因を分析し、対策を立てていくことが非常に重要です。また、現場の改善だけではなく、機械化・システム化により製造現場を大きく変えていくことも有力な手段となります。一度製造現場の運用を見直してみてはいかがでしょうか。

SEIZONEバナー3

  • SEIZONEマガジンについて

  • SEIZONEマガジン
  • 展示会情報
  • お客様へ

  • 掲載をご希望の方
  • 規約
  • プライバシーポリシー
SEIZONE icon by Icons8
© 2022 SEIZONE. All rights reserved.