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現在、経済発展が著しい中国。特に製造業は2010年から製造業付加価値額において、2010年から12年連続で世界1位をキープしており、その金額は2021年で31兆4000億元(約634兆円)となり、中国のGDPの27.4%を占め、日本のGDPとほぼ同じ金額になります。今回は中国の発展に欠かせない製造業に関して掘り下げていきます。

参考URL:中国の製造業付加価値額が12年連続で世界一に

 

中国の製造業の現状

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ここでは現在の中国の製造業の現状について説明します。

製造業の現状

現在、中国の製造業においては分野ごとの発展格差が顕著です。まずは中国の製造業が各分野において4つの段階に切り分けられている点を紹介します。中国の製造業は各分野において、「黎明期」(技術導入・開発中心)、「内需取込期」(中国国内の需要拡大、外資と競合)、「外需取込期」(海外市場で需要拡大・外資と競合)、「世界市場大手」の4つの段階に切り分けることができる。例えば、「世界市場大手」となっているのは1970年代後半から外資企業の誘致を進めていた白物家電が挙げられます。他の段階でも以下のような分野が挙げられます。

  • 世界市場大手:白物家電、車載用リチウムイオン電池、建設機械、
  • 外需取込期:鉄鋼、建設資材、通信機器
  • 内需取込期:自動車、電子部品、医療機器、化学、ソフトウェア
  • 黎明期:半導体、アパレル、宝飾、医薬品

このように中国製造業は世界市場大手・外需取込といった他国と競争ができる状態になっている分野は多くなく、黎明期や内需取込期に属している分野がまだ多いことが分かります。これは中国がまず利益化しやすい分野を中心として製造業を発展させていったためであり、今後は黎明期や内需取込期の分野を発展させていく必要があります。

参考:中国製造業の現況と見通し

中国産業政策

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前述で説明した4つの段階において中国政府は分けて政策立てをしています。それぞれの段階に見られる特徴的な政策を説明します。

黎明期:外資出資規制緩和、補助金供与、土地提供

まずは外資企業が入り込みやすい環境を作ることで該当分野におけるナレッジの蓄積を行います。

内需取込期:外資出資規制強化、国産品購入指導、輸入関税引き上げなど

外資企業の規制を強化し、国産品の保護や販売促進を行うことで、中国国内での国産品の競争力を強化し、企業の資金強化を行います。

外需取込期、世界市場大手:国内業界再編など

企業の再編を行うことで、コストの低下・戦略強化を促進し、海外での競争力強化を支援します。

また、共通施策として補助金の提供、教育の強化などを実施しています。このように国全体として産業を強化することで、急速な発展を行うことができています。

中国産業政策の問題点

現状の施策に対する問題点を説明します。上記の対応を行うことにより、中国内外で以下のような問題が生じます

技術流出

黎明期の外資系企業の誘致段階では企業を誘致する代わりに技術力の提供を求めたり、中国側の人的資本の強化を求められたりするため、技術力が企業から流出する可能性があります。また、知的財産権の保護に関しても先進諸国に比べ十分ではないため、合弁会社が契約外の製造をしてしまうなど不適切な方法で技術力が流出してしまうケースも見受けられます。

外資系企業の販売機会の損失

外資系企業の輸入関税引き上げや出資規制を強化することで、外資系企業が入り込みにくくなってしまい、販売できないなどの問題が生じています。

製品の過剰供給リスクが存在する

内需取込期では設備投資やインフラなどの環境整備によって、生産拡大、規模の増大によるコスト削減などを行い、競争力をあげていきます。そのため、国内の競争が過熱しすぎることで、設備投資や環境整備に投資をしすぎてしまい、製品の供給過剰が見られるケースがあります。

高技術の部品・材料の国産化の遅れ

中国ではより利益化できるものから自国の生産能力を強化していった背景があります。そのため、製造した部品においてもより高度な技術を必要とする部品・材料が国内で生産できずに輸入や外資系企業からの調達に依存しています。日本や諸外国では技術流出への対策や世界の人口の2割を占める大市場である中国で販売機会を得るための施策が求められる一方で、中国としては、高度部品を自国で生産できるようにすることが課題となります。

今後の中国製造業の課題

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中国は現在、過渡期に経たされており、様々な原因により、上記の施策だけでなく、さらなる施策を繰り出すことで、国際競争力を強化しています。ここでは、その原因と対応(中国製造2025)について解説していきます。

中国製造業の課題

中国国内の製造業が直面している課題の例として、以下の3つを挙げます。

人件費の高騰

中国は競争力が向上するにつれて、人手不足が顕著となり、人件費は高騰していきました。その高騰具合も深刻で、2001年から2020年の間に平均賃金は9倍近くに跳ね上がっています。そのため、定着率も低くなり、特別手当を払うことで人材をつなぎとめているケースもある。今後は人手不足を補うために、IT導入をして人件費削減をすることが求められています。

高技術部品の国内製造

高技術部品の国内製造が進まず、部品を外資系企業や輸入に頼っている傾向があります。そのため、半導体などの高技術部品に関しては遅れを取っている現状があります。今後、これらの分野に注力し、製造力の強化をすることが求められているが、中国企業はそれらの技術を買収によって獲得する傾向が強く、基礎研究などの土台作りには時間がかかると見られています。

参考:中国、輸出競争力に暗雲 労働力不足、米は「技術封鎖」:時事ドットコム

東南アジア・インド圏の生産拡大

中国の次に台頭しているのが東南アジアやインド圏です。これらの国々は中国よりも人件費が安い傾向があります。また、トランプ政権時に対中関税が引き上げられたことにより、中国で生産をして輸出をすることが関税面で不利になりました。そのため、第2の生産拠点として東南アジア、インド圏への展開が進んでいます。現在でも、2016年時点の白物家電の生産量増加率は中国よりもインドの方が高く、今後生産の一部は東南アジアやインド圏にシフトしていくと考えられます。

そのため、中国はより高技術製品への転換を求められていると考えられます。

参考:白物家電製品の世界市場(その1) | マーケット情報 | エンプラネット

中国からASEAN・インドにシフトする「世界の工場」 | 朝元照雄

中国製造2025とは?

中国製造2025はこれまで製造大国であった中国が2050年までに製造強国になるために2015年に発表した政策である。中国の製造業で強化するべき箇所を明確にし、中国の製造業を大量生産型から、より高度な技術を使い高付加価値型への転換を目指す政策となっています。

9つの重点戦略、10つの重点産業、5つのプロジェクトを定義しています。

9つの重点戦略

  • 国家の製造イノベーション能力の向上
  • 情報化と産業化のさらなる融合
  • 産業の基礎能力の強化
  • 品質・ブランド力の強化
  • グリーン製造の全面的推進
  • 重点分野における飛躍的発展の実現
  • 製造業の構造統制のさらなる推進
  • サービス型製造と生産者型サービス業の発展促進
  • 製造業の国際化発展レベルの向上

10つの重点産業

  • 次世代情報通信技術「5G」
  • 航空・宇宙装備
  • 最先端のデジタル制御工作機械・ロボット
  • 先端のレール交通装備
  • 海洋エンジニアリング装備とハイテク船舶
  • 省エネ自動車・次世代自動車
  • 電力装備
  • 新素材
  • 農業機械
  • バイオ医療・ハイテク医療設備

5つのプロジェクト

  • 製造業イノベーションセンター設立
  • スマート製造
  • 工業基礎力強化
  • グリーン製造
  • ハイエンド設備イノベーション

この中国製造2025から、IT化の一端として最先端のデジタル制御工作機械・ロボット分野に力を入れたり、より高度な技術として新素材やバイオ医療・ハイテク医療設備に力を入れていることが分かります。

これらのことから、今後の中国は現在すでに「世界市場大手」となっているものに関しては、より競争力を増し、「内需取込期」や「黎明期」であったものは今後10年~15年程度で国際競争ができるように発展していくと考えられます。

まとめ

現在、中国の製造業は過渡期であり、今後15年ぐらいでこれまで世界では競争できていなかった分野でも競争ができるようになり、海外市場に参入してくると思われます。日本として特に、懸念しなければならないのは、現在立て直しを図っている半導体や、世界第2位のシェアを持つ医療機器といった分野です。これらは高付加価値産業であり、人件費の高い日本を支えるものになります。これらの中国の動向には注意を払うべきでしょう。

参考:中小規模の会社の医療機器の海外展開について

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