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カーボンニュートラルと呼ばれる「温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」取り組みが世界中で進んでいる。これは2015年にパリで行われた国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)内において温室効果ガスを削減していく内容を合意するパリ協定が結ばれたことから始まりました。

カーボンニュートラルの説明はこちらの記事で紹介しております。

製造業のDXで注目されるカーボンニュートラルとは?

SDGsといった具体的な数値目標を持つ言葉もできた中で、各企業はこのカーボンニュートラルに積極的に取り組んでいます。ここでは、製造業においてどのようにカーボンニュートラルが導入されているか見ていきましょう。

製造業に導入されるカーボンニュートラルのDX事例紹介


製造業は全産業の中でも温室効果ガスの中でも代表的な二酸化炭素の排出量が高い割合を持つことから、カーボンニュートラルへの取り組みが急務となります。では、具体的にどのような事例があるのでしょうか。

CO2排出量の削減に取り組む製造業DX事例

ノルウェーの家具製造メーカーであるヴェストレ社は工場を同国内の森の中に建設しました。この工場の建設の際には、地元でとれた木材や、リサイクルされた鉄筋が主に用いられました。更に建設後の工場屋根には約1200枚の太陽光パネルが設置されています。工場は上空から見て十字架の様な形をしており、各棟が製造工程ごとに振り分けられている。そして、工場中央部にて各工程が繋がるように作られているので運搬時間の削減につながっている。

工場の建設材料を地元のものから採用し、太陽光パネルを採用することで環境に極力配慮したものとなっている。また、工場内での運搬形態を最適化することで生産に必要なエネルギーを省エネルギー化することに成功しています。サントリー食品インターナショナル株式会社は長野県大町市に「サントリー天然水北アルプス信濃の森工場」の建設を進めています。2022年稼働予定のこの工場では、再生可能エネルギー発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラーなどの設備を導入することで、CO2の実質的な排出量ゼロを目指しています。

ヤマトハウス工場株式会社では2020年10月から自社工場で消費する電力を自社施設内で発電した再生エネルギーに置き換えていくことを発表しています。全国にある9工場のうち、まずは4工場から段階的に切り替えを行っていきますが、再生エネに切り替えた場合の切り替え電力量は約15,000MWh/年となり、CO2排出量を約7,400t/年削減できる見込みです。また、同社は2055年までに環境負荷ゼロに挑戦する長期ビジョンを立てており、今後も更なる再生エネルギーへの切り替え施策を行っていくものとなっております。

廃棄物を削減することでの環境対応

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製造業の分野によっては産業廃棄物が大量に排出されることもあります。 ただゴミの焼却処分でも温室効果ガスが大量に発生することから、ゴミを減らすことは温室効果ガスの削減に繋がるのです。そこで、産業廃棄物の削減を目的とした事例を紹介します。サカタインクス株式会社は廃棄物の削減に継続的に努めています。同社は国内4つの工場にてゼロエミッションを達成したことを公表しています。

ゼロエミッションとは、ある工場で排出された廃棄物や副産物を別の工場で原材料として利用することで、全体として見れば廃棄物がゼロになるように取り組むことを示した言葉になります。サカイタンクスではゼロエミッションとして使用済みドラム缶などのリユース、購入原材料の容器を繰り返し使える容器に変更する、廃溶剤回収などを実施しています。

また、他にもインキや金属くずの再利用をすることでゼロエミッションを達成したのです。株式会社ブリヂストンの工場では分別ミスをなくすための取り組みが行われています。社内に環境専門従事者という資格を設け、産業廃棄物を搬入する作業者を限定しています。各職場に資格保有者を2名程度配置することで廃棄物の運搬や、産業廃棄物発生を抑制、再利用の促進などを担います。この取り組みの結果、同工場の2012年の産業廃棄物排出量は、2008年と比較して約54%削減されました。

プラスチックの削減

プラスチックの削減は近年、日本でも進められているように温室効果ガス対策に効果的な施策になります。アディダスは2018年から事務所、小売店、工場、流通センターでの新生プラスチックの使用を段階的に廃止し、製造過程全体を通して環境負荷の低減を目指しています。また、同社は海岸に漂着したプラスチックゴミを再利用し、運動シューズを販売しました。こちらは約500万足の売り上げを記録しています。

ベトナムのホーチーミンには興味深い企業があります。PLASTICpeopleというその会社は新興企業ながら、プラスチックの再利用を事業として行っています。同社は工場やレストランで排出される再利用の難しい廃棄物を使い、「リサイクル家具」を製造しています。テーブルや椅子などをゴミを元に作成しており、それを一般家庭やオフィスに向けて販売しているのです。また、プラスチックゴミ削減を目指す企業へのコンサルティング業務や教育事業にも力を入れており、ゴミの再利用の可能性を広げる先駆けとなっている。

しかし、ここにも問題点はあり、プラスチックゴミから製造された家具などはユニークではあるものの、既製品に対して価格面では劣ってしまう。既にラインが完成された既製品に対して、価格面で競争するのは難しいのが現状だ。ただ環境問題への取り組みが企業側に求められ、投資家も企業取り組みを見ている今なら、一定の需要を確保できる可能性もある。今後の成長に期待をしていきたい。

製造業DXの取り組みに対する課題


ここまで様々な企業の取り組み事例を見てきた。素晴らしいアイデアや行動力のもとにカーボンニュートラルの気運が高いことも確認できた。しかし、全ての企業が積極的に取り組めているわけではない。そこにはいくつかのハードルが存在するためです。

導入コストの問題

カーボンニュートラルに取り組むために、何かを導入するとなれば相応の費用が必要となります。再生エネルギーを自社施設内に設置するにしても太陽光パネルや風力発電機は高額であり、設置費用も安いとは言えない。工場設備にセンサー機器を取り付けることで、工場内の余剰エネルギーを削減するといった取り組みもある。

しかし、これにせよ機器の導入や集計したデータの処理と解析には新規のシステムが必要となるでしょう。経済的に余力のある大企業でなければカーボンニュートラルを進める検討すら難しい状況と言えるだろう。

教育・周知の問題

カーボンニュートラルに関する取り組みは企業上層の意思決定だけでは実現できるものではなく、投資家や従業員への周知が必要となります。まだ、新しい考え方であるということもあり、考え方自体の普及が進んでいないというのが現状となっています。

そのため、各企業が企業方針として具体策を盛り込んだ内容を内外に向けて発信していく必要があります。投資家に対しては、わかりやすい形での目標設定を公開し、それがもたらす効果(環境良化・企業のイメージアップ)をもたらさなければならない。

今回、各企業のカーボンニュートラル事例を紹介してきた。様々な事例があり、中には実現が比較的容易に行えるような施策もあった。今までカーボンニュートラルに取り組んでこなかった企業にも出来る範囲の取り組みから積極的に始めてもらいたい。

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